データで証明する健康経営-健康は従業員と会社の未来をつくる

■ 背景
近年、事業用自動車の運転者が疾病により運転を継続できなくなる事案が増加傾向を示しています。
その中で、心臓疾患は脳血管疾患と並んで最も多く、また、大動脈瘤等の大血管疾患による運転者への影響も考えられることから、事業用自動車の運転者に関する心臓疾患・大血管疾患対策が必要となっています。
(国土交通省HPより抜粋)(https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha02_hh_000382.html)

国土交通省では、現状を踏まえ「自動車運送事業者における心臓疾患・大血管疾患対策ガイドライン」を策定していますが、その具体的な内容については、各事業者に委ねられているのが実状です。
そこで東部運送では「独自の社員の健康維持管理するシステム」を構築し実践してきました。
その結果、良好な実績を得たので、一例としてご紹介いたします。

■ 点呼の進化と乗務員の健康管理
東部運送では、15年前よりIT点呼を導入し、6年前からは対面点呼時の血圧測定を開始。さらに3年前には遠隔点呼、そして今年1月からは自動点呼を導入しています。
これら点呼の仕組みを通じて、乗務員の健康状態や安全運行に関わるデータを継続的に取得して
① 血圧の上下 ② 脈拍数 ③ 不規則脈拍数 ④ 体温 ⑤ アルコール測定値
上記、各データをクラウド上へ蓄積してきました。
社員数     345~365人
延べデータ数  1,185,062件
業務前点呼のデータは、乗務員に限定し、管理職または事務職員のデータは、別途システムを使用しデータ収集しました。

■ 毎日の積み重ねが、会社の誇りになる

“測るだけの会社では終わらない”

          継続・改善までするのが東部運送です。

■ 測定結果データ利用による、健康管理運動
~健康を維持するため血圧管理が重要である事を社員教育を通じ啓蒙し続けます~
1.飲酒・喫煙と血圧の関係
2.食事と血圧
3.肥満と血圧(メタボリック)
4.運動の重要性(散歩の奨励、万歩計の利用)
毎日測定 → 毎月分析 → 生活改善サポート → 結果

■ 社員の血圧データによる健康管理
東部運送では、日々の血圧データを、収縮期血圧(いわゆる上の血圧)の一か月の平均値が160以上の社員を抽出し、医療機関への受診勧奨等の指導をする運動を5年前から実施しています。
乗務員→IT点呼・遠隔点呼・自動点呼→測定データ
(1)血圧
(2)脈拍
(3) 体温
(4)不規則脈拍数
(5)アルコールチェック

■ 高血圧起因による疾病リスク
(1)心筋梗塞
(2)脳出血
(3)脳梗塞
(4)くも膜下出血

■ 血圧を下げるには・・・・
(1)塩分を減らす。 一般男性7.7g 高血圧症 6g。
(2)野菜・果物・魚中心の食事。
(3)軽い運動。適正体重の維持。
(4)お酒とたばこを控える。 節酒・禁煙。
(5)ストレスをためない。

■ 血圧平均160mmHgを超えた管理職の基本データ
(1)男性
(2)年齢 57歳
(3)飲酒あり 500ml 毎晩
(4)喫煙     1箱  一日
(5)管理職
(6)医師の診察を推奨  
→ 現在は、血圧計を購入して自宅でも測定し、食事にも注意を払う。

■ 血圧測定結果全体平均・特定者平均推移 管理職


■ 特定ドライバーの血圧測定結果平均値推移 (Mさん)


■ 特定ドライバーの血圧測定結果平均値推移 (Sさん)


■ 特定ドライバーの血圧測定結果平均値推移 (Wさん)


■ 特定ドライバーの血圧測定結果平均値推移 (Aさん)


■ 特定ドライバーの血圧測定結果平均値推移 (Bさん)


■ 特定ドライバーの血圧測定結果平均値推移 (Eさん)


■ 高血圧症の社員の抽出
毎月社員の平均血圧を取り160mmHg以上の社員の抽出、受診勧奨をし、高血圧治療を促した。
※最高血圧一ヶ月平均160mmHg以上月別人数の推移

■ 月平均160mmHg以上対象者推移

■ 血圧測定者全体に見る平均血圧160mmHg未満の割合

■ 高血圧対象者に対する継続指導結果

2018年から始めたドライバーの血圧管理。
継続的な測定と健康管理を徹底してきた結果、ドライバー全体の平均血圧は年々低下。
健康への取り組みは、すぐに結果が出るものではありません。
だからこそ、長年にわたって続けてきた取り組みが、「平均値が下がる」という目に見える成果につながったことに大きな意味があります。
そして今、私たちは次の目標へ。
これまでのボーダーライン160mmHgから150mmHgへ。
「基準を守る」だけでは終わらない。
成果が出たからこそ、基準をさらに高いところへ。
健康経営を「掲げる」だけではなく、数字を変え、現場を変え、そして安全運行につなげる。
2018年から続けてきた取り組みが、確かな成果として形になっています。

■ 全社員の平均血圧の推移
2019年  1月  141mmHg
2022年  1月  135mmHg (マイナス6mmHg改善)
2023年  1月  134mmHg (マイナス1mmHg改善)

■ この運動開始以後・・・
近年、運送業界では、心臓疾患・脳疾患による社員の罹患が報告されている。
特に運行管理者、配車に関わる管理職の罹患が報告され、乗務員の罹患も報告されている。
また運送業界の乗務員の高齢化に伴う高血圧症を起因とする、心疾患脳疾患の発生も予想される。
今後もこれらの疾患を予防的に発生させないためにもこの運動を継続して行く。
幸いにも当社では、5年前運動を実施して以来、社員のこの疾患による休業は発生していない
今後も、これらの疾患を予防的に発生させないためにも東部運送は、この健康維持管理システムを継続して行っていきます。

■ 当社の健康維持管理システムに、ご指導ご協力をいただいた皆様に感謝いたします。
国土交通省様
国土交通省北陸運輸支局様
全日本トラック協会様
新潟県トラック協会様
日本貨物運送協同組合連合会様
新潟県貨物運送協同組合連合会様
このシステムの構築に伴い、IT点呼、遠隔点呼、自動点呼のシステムの構築にご指導いただき、また
血圧計の購入に尽力頂いたことに対し、深く感謝申し上げます。
  社員の健康が、会社の力になる
    「健康で働ける」
    「安全に働ける」
    「安心して長く働ける」
   そして
    「幸せを実感できる」
   それが
    東部運送が目指す会社です。